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宇宙を構成する物質の謎にせまります!
と言われても、どうしてそうなるのかピンときません。
そもそもニュートリノって?
ニュートリノとは、これ以上小さくすることのできない素粒子のうちの1つです。電荷をもたないし、測れないくらい小さくて軽いので、なんでもするするとすり抜けてしまいます。その分、見つけるのも大変です。
見つからないから周りにあまりないかというと、そういうわけではありません。
宇宙からやってくるニュートリノは毎秒100兆個も私たちの体を通り抜けていますし、今原発で問題になっている放射性物質も、放射線とともにニュートリノも出すのです。放射線は体の組織にぶつかって壊すので害になるけれど、ニュートリノはするりとなんでも突き抜けてしまうので、害にもなりません。(その分、誰も話題にしてくれないんです。)
ニュートリノといえば、小柴昌俊先生。スーパーカミオカンデという容量5万トンの水槽でニュートリノをとらえて、2002年にノーベル賞を受賞されましたね。
さてこのニュートリノ、素粒子の1つといいましたが、正確には素粒子のうちの3つです。というのも、ニュートリノには3種類あって、「電子型」「ミュー型」「タウ型」のものがあるのです。
この型変えのしくみをよく調べると、ニュートリノの重さなどの性質がわかってくるのです。
「物質の謎」がわかるってどういうこと?
では、ニュートリノの性質がわかれば、なぜ宇宙の物質の謎がわかるのでしょう?
そもそも「物質」がいつ造られたかというと、それは宇宙が生まれたとき。生まれたばかりの宇宙はエネルギーに満ちていて、そこから物質と反物質が同じだけ生まれました。
この反物質、物質と再び出会うと、またいっしょにエネルギーに返って消えてしまいます。
ところが!私たちを含め周りにある物や星たちはみんな物質でできていて、反物質はなかなか見当たりません。反物質は物質とほぼ物理的性質が同じ(電荷が反対だけど)なので、なぜ反物質だけが消滅して、物質は生き残ったのか、その理由がわからないのです。
つまり、「物質の謎」といっているのは、「なぜ物質だけ生き残ったのか」という謎のこと。なぜ物質はうまく残って私たちという存在が可能になったのか、ということです。
これがどうニュートリノ振動に関係しているかというと、ニュートリノと反ニュートリノ(ニュートリノの反粒子)とのあいだにわずかな振動の仕方の違いがあって、もしかしたら物質が勝ったわけを少しだけ説明してくれるかもしれないのです。